10秒でわかる!要点まとめ
- ビジネスモデルではなく、具体的な「機能」「UI」「操作フロー」を丸裸にする調査
- 「ヤコブの法則」を知れ。ユーザーは他社サイトでの操作感(メンタルモデル)を求めている
- 独自性は「迷わせること」ではない。定番のUIはパクり、体験のコアで差別化する
1. 概要:UI/UXの「正解」を他社から学ぶ
情報設計段階における競合比較分析とは、競合サイトや類似サービスの「サイト構造」「画面レイアウト」「機能の挙動」「登録フロー」などを詳細に調査し、自社の仕様策定に役立てる業務です。
企画段階の調査が「市場での勝ち筋」を探るマクロな視点だとすれば、ここでの調査は「会員登録フォームの入力項目は何個か」「スマホでのメニュー表示はどうなっているか」「エラーメッセージはどう出るか」といった、実装に直結するミクロな視点で行われます。車輪の再発明(ゼロから考える無駄)を防ぎ、既存の優れたUIパターンを取り入れるためのベンチマーク作業です。
2. なぜ重要なのか:ユーザーは「他のサイト」で学習している
UXの基本原則に「ヤコブの法則」があります。これは「ユーザーは人生のほとんどの時間を、あなたのサイト『以外』のサイトを見て過ごしている」という事実を指します。つまり、ユーザーはAmazonやGoogle、競合他社のサイトですでに「カートボタンはここにあるはず」「ロゴを押せばトップに戻るはず」という操作の常識(メンタルモデル)を学習済みです。
競合比較を行わずに独りよがりなUIを設計すると、ユーザーの学習済みのルールを破ることになり、大きなストレス(使いにくさ)を与えてしまいます。競合の「当たり前」を知ることは、ユーザビリティの最低ラインを担保するために不可欠です。
3. 実務のポイント:詳細な「星取表」を作る
実務では、なんとなく眺めるのではなく、エクセル等で詳細な比較表(星取表)を作成します。
- 機能マトリクス:「ログイン機能」「お気に入り機能」「閲覧履歴」「クーポン」といった機能項目を縦軸に、競合他社を横軸に取り、○×△で網羅的に比較します。「A社にはあるがB社にはない機能」を可視化し、自社の要件定義の漏れを防ぎます。
- フローのトレース:実際に競合サイトで会員登録や商品購入を行い、画面遷移のステップ数や、入力フォームの必須・任意項目の違いをスクリーンショットで記録します。
- UIパターンの収集:特にスマートフォンの狭い画面で、複雑な情報をどう処理しているか(アコーディオンか、モーダルか、横スクロールか)は、設計の大きなヒントになります。
4. スキルアップのヒント:スクショ収集ツールを活用する
優れたアートディレクションを行える人は、膨大なUIのストックを持っています。「Eagle」や「Pinterest」、ブラウザの拡張機能を使って、気になったUIや競合の画面を日常的に保存(スクラップ)してください。
また、Webデザインのギャラリーサイトを見るだけでなく、実際にアプリをダウンロードして触りまくることです。「なぜこのアプリは気持ちいいのか?」を指先で感じ、その「微細なインタラクション(動き)」を仕様書に落とし込める言語能力を磨くことが、設計力の向上に直結します。
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